乾癬について調べていた時に、はっきりとわかったことがあります。それは・・・

乾癬は皮膚科では治らない

ということです。それを痛感した時の話です

そもそも、28年生きてきて「乾癬」っていう言葉自体、はじめて聞いた言葉でした。「かんせん」ですから、「感染」としか思い浮かびません。おそらくほとんどの人は知らない言葉でしょう。奥さんに話した時も「感染」を思い浮かべていたようでした

最初に、家にあった「NHKきょうの健康大百科 (生活実用シリーズ) 」で調べてみたんですが、乾癬について、一切書かれていませんでした


NHKきょうの健康大百科 (生活実用シリーズ)

そこで、もっと詳しい本で調べようと探したところ、「新・病気とからだの読本」という医学書をみつけました。500ページくらいあり、病気の種類ごとに1~10まで、10冊の大シリーズです。「本のお医者」と呼ばれる本だそうで、累計100万部が売れているベストセラーです。乾癬が掲載されていたのは「新・病気とからだの読本 6 骨・筋肉と皮膚の病気」です


新・病気とからだの読本 6 骨・筋肉と皮膚の病気

この本は、患者が聞きそうな質問に対して、専門家の偉い先生が答える、会話形式のわかりやすい医学書でした。それを読んでいた時に、「こりゃ、皮膚科に行ってもダメだ・・・」と感じたのです

乾癬のページを監修されているのは、A先生(仮にA先生とします)。本に書かれている経歴はすごく立派な印象を覚えました

慶応義塾大学医学部卒業
慶応義塾大学大学院(皮膚科学専攻)入学
米ジョージア医科大学留学
米テンプル大学留学
慶應義塾大学皮膚科講師
東海大学皮膚科助教授
帝京大学市原病院皮膚科教授

現在は、都内のメディカルモールにある、専門皮膚科の副院長として活躍されているようです。ホームページを見ると、乾癬が一番に標榜されているので、まぎれもない乾癬専門医院の専門医であることがわかります

さらに調べてみると、日本乾癬学会という学会にも、所属されていて、皮膚科のお医者さんを指導される立場の方です。ですから、A先生の乾癬に対する考え方というのは、全国の皮膚科医が、どのように乾癬をとらえているのかと同じだと思うのです

このA先生が監修した医学書では、乾癬の再発について、このように書かれています

この乾癬という病気は、クスリや光などどんな治療をしてきれいになっても、必ずといっていいほど、再発します。ですから、治癒といわずに寛解といいますし、この寛解期間をどのくらい長くできるかが、非常に重要になるのです
 
そういうことを、患者さんにも正確にお話ししておくことが大切で、まえもって知っていれば、再発したときにも「あーっ」という感じにはなりません
 
※「再発はよくあるのですか」という問に対して
 

新・病気とからだの読本 6 骨・筋肉と皮膚の病気 P257下段15行目~P258上段1行目

どう思いますか

患者さんに対して、再発があることを事前にちゃんと説明するというのは、誠実というか、最近の言葉で言うと、インフォームドコンセントが徹底されているようにも感じます

ただ、私が「こりゃ、皮膚科に行ってもダメだ・・・」と感じたのは、再発を前提としているということです。患者の立場としては、治してくれると思って、お医者さんに診てもらうのに、当のお医者さんは、「クスリや光などどんな治療をしても、再発は当たり前」と考えているのです

一刻も早く治してほしいと考えている患者に対して、症状は抑えるけど再発は当たり前と考えている医者。根本的な治療を求めている患者に対して、対症療法しか手立てを持たない医者

根本的に治してほしいと考えている人は、皮膚科に行くのが間違っているといっても言い過ぎではないと思います

ただ、皮膚科や医師、薬による治療を全否定しているわけではありません。もちろん、私も皮膚科での治療を知らないわけでもありません

ステロイドやビタミンD3といった外用薬、内服PUVA療法、ナローバンドUVB、最近では、生物学的製剤という新しいクスリも出てきて、だんだん副作用が少なくなり、寛解期間も長くなっているのかもしれません

もちろん皮膚科でのクスリによる治療を必要としている人もいます。このようなことが事例として書かれていました

それまで赤い斑点ができているから、恥ずかしくて法事にも埋けなかったというおばあさんが、ぴたっと消えて、今年も法事があるから、あのクスリを使ってくれと、たのまれるくらい効きました
 
※ 免疫の働きを抑えるため強い副作用があるが、よく効くシクロスポリンを使った話
 
新・病気とからだの読本 6 骨・筋肉と皮膚の病気 P253上段1行目~同1行目
 
 
副作用のある治療法もありますから、医師は、患者さんがなにを望まれるかを正確に知ることが大切です。患者さんによって、要求はさまざまです。ゴルフにいっても、紅斑があるとみんなといっしょに風呂に入れない、だから、少々副作用があってもいいから、一緒に入れるようにきれいにしてくれとか、私は命が大切だから、あまり強いクスリは使わないでくれとか、いろいろあります。患者さんとよく話し合って、いちばんいい治療法を選ばなければなりません
 
※「患者さんは、治療法を選ぶことができるのか」という問いに対して
 

新・病気とからだの読本 6 骨・筋肉と皮膚の病気 P253上段1行目~同1行目

お医者さんの治療には、「患者さんのQOL向上させる」という目的もあります。QOLとは、Quality of Life=生活の質のことです。「親戚がたくさん集まるところで、乾癬の症状を見られたくない」「ゴルフのお風呂では、周りに気を使わせたくない」こういう患者さんの思いを実現することも治療だと思います

だから、皮膚科でのクスリによる治療は必要だと思います。即効性がある治療は、クスリ以外にはありえないですから。ただその時に、自分の状態に合わせてクスリや治療法を選んでくれるのは、専門知識を持ったお医者さんしかいないのです

もし、お医者さんがいなかったら、自分でクスリを選ばなければなりません。シクロスポリンというクスリは、血圧の高い人や腎臓が悪い人には、副作用が強くて使いにくいですし、レチノイドというクスリは、奇形児ができる恐れがあるため、若い人には使いません。メトトレキサートというクスリは、定期的に肝臓のチェックが必要です

こんなことは、専門家ではない患者が調べたり、考えたりして選べるものではありません。そのためにお医者さんがいるのです。自分にあったクスリを処方してくれるのがお医者さんの役割なのです

以前、全く別の病気、うつ病のことを調べていた時に、読んだ本で、有名な先生がおっしゃっていたことを思い出します

医師の役割と医師に期待してはいけないこと

私は医師や薬とのつきあい方に関し、次のようなことを繰り返し伝えるようにしている

それは、「魔法はないよ」ということだ

人は早く治りたいと焦るあまり、つい自分にあう魔法の薬、魔法のカウンセラー、魔法の医師を求めてしまう。すると治療の途中でペースを崩し、回復を遅らせてしまうことが多いのだ。よほどのことがない限り、現在の医師を替えないことだ。医師に話を聞いてもらおうとは期待しないようにアドバイスしている

医師に相談するのは、「自分に合う薬を出してもらうこと」である

忙しい医師にカウンセラーのようなゆったりとした対応を望んではいけない。医師は人生相談を持ちかけられると困惑してしまうのだ

うつの先生もおっしゃるように、医師には自分にあったクスリを出してもらうことを期待し、それ以上のことを望んではいけないのかもしれません

だから、「一刻も早く治してほしいと考えている患者」「根本的に治してほしいと考えている人は」と。でも・・・

そもそも医者に「治してほしい」と頼ることが間違っているのかもしれません。病気を治すのは、あくまで自分自身なのだと思います

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